| 第4回 2002. 7. 10 文・写真/「優しい食卓」出版部編集長 池田智泰 |
||
| ■3日目■(6月12日 水曜日)〔くもり〕 | ||
| 今日の朝食はそれぞれ自由にとります。5人でホテルの斜め前のお店に入りました。細長い奥行きのあるお店で、様様な飲み物や食べ物を売っています。すしのパックもあります。サンドイッチもその場で作ってくれます。鉄板の上で注文に応じてベーコン、卵、ソーセージ、ハムなどを焼いてパンにはさんでくれます。飲み物と果物を買い精算を済ませ、2階に上がっていくとテーブルといすがあり、そこで食べます。料金はホテルの朝食の3分の1以下で、とても美味しいです。 9時ホテルのフロントにガイドの東原さんが元気な顔を見せています。今日午前は世界の四大美術館のひとつメトロポリタン美術館の見学です。市バスで行きます。佐藤先生が買ってきてくださったトークン(コイン)を1人1人もらい、バスの右側の前扉から乗りトークンを入れます。バスにはいろんな人が乗っていて、私たちを外国人としてジロジロと見る者は一人もいません。すんなりと入っていけます。バスを降り少し歩くと、メトロポリタン美術館の巨大なファサードがもうすぐ目の前です。5番街に面したセントラルパーク内にあります。 |
||
| The Metropolitan Museum |
||
| メトロポリタン美術館正面の階段で記念写真を撮りました。玄関を入りますと、インフォメーションやチケット売り場がある大ホールです。もうすぐ本物の絵や彫刻が見られるという思いで、心がざわついています。東原さんがこれからの案内について説明しています。チケット代わりにバッジをもらいました。 | ![]() メトロポリタン美術館の前で |
これがあれば今日一日美術館の出入りは自由とのことです。日本語版の館内図をもらい、横幅のある階段をのぼって2階に行き少し歩くと、ふいに漆黒のロダンの彫刻にぶつかります。その遭遇に驚く間も与えず、ガイドの東原さんはもう次の間に足を踏み入れています。 |
![]() |
![]() |
![]() |
| 盲人を癒すキリスト エル・グレコ | ライオン(エジプト美術 前3000〜2700) | ヴィーナスとアドニス ルーベンス |
| このメトロポリタン美術館の所蔵品は300万点を超え、展示作品も何十万点になるそうです。まる1日かかっても見切れない量なのに、2時間余りで見ようというのですから、どうしても見るものを限定せざるを得ません。 19世紀ヨーロッパ絵画の室にはいります。モネ、セザンヌ、ゴッホ、ゴーギャン、ルノワールなどの絵画が惜しげもなく飾られています。ここは芸術の宝庫です。黒い洋服をビシッと着た褐色の中年の監視員が一室に1人立っています。室から室へと急ぎ足で見て歩きます。もったいないような見方です。ふと隣の室にモネの睡蓮があったりして驚いたりしました。 |
![]() デンドゥ−ル神殿の前で |
|
| 1階に移動し、エジプト美術を見ました。紀元前3100年頃から8世紀頃までのものが展示されています。装飾された木棺や石棺、ミイラもあり、一種異様な雰囲気を漂わせています。展示室をふっと出ると、サックラー・ウイングで紀元前15年頃のものだというデンドゥール神殿があります。そこで記念写真を撮りました。知らずに神殿の奥まで入り込み、係官があわてて飛んでくる騒ぎもありました。神殿を包むようにして堀があり、そこを掃除している中東から働きに来ているという中年男性がいましたが、サッカーの中田や野球のイチローの名前を知っていて、しばし話しを交わし、笑い声が起きていました。 1階のお店を見たあと、2階の12〜18世紀のヨーロッパ美術を見ました。エル・グレコ、ゴヤ、レンブラントの絵の前で、東原さん熱心に説明してくれました。ルーベンスも見応えがありました。東原さんとのガイド契約は12時30分までです。急ぎまわって1階に集合しました。 美術館の向かいの高級ホテル、スタンホープに入りランチをとることにしました。ティーまたはコーヒーを頼みます。ランチはサンドイッチなどですが、その大きさには皆ビックリです。ポテトフライの多さにも驚きます。3人前くらいあります。ほとんどの人が残しました。 |
||
The Frick Collection & Temple Emanuel |
||
| ランチを食べた後、歩いて10分ほどのところのフリック・コレクションに行きました。鉄鋼王ヘンリー・フリック(1849〜1919)は、収集したコレクションを邸宅と共に寄贈し、美術館にしたということです。入館チェックは厳しく、大きな荷物、カメラはクロークに預けます。テープガイドを無料で貸してくれます。家具、絨毯、陶器、七宝などの調度品も展示品のひとつです。中庭でひと休みして外に出ました。どんよりとした曇り空の暑い日です。 何班かに分かれ、私たち5人は歩いてユダヤ教ではアメリカ最大のエマヌエル寺院に入りました。薄暗い大礼拝堂にアメリカの家族と思われる8人の観光客がいて、65歳くらいの背の小さい係りの女性の説明を受けていました。私たちに声がかかり説明を一緒にうけました。小礼拝堂も見て、大礼拝堂の脇の薄暗い廊下を抜けて外にでます。間もなく雨が降って来ました。走るようにしてホテルに着いたのが4時30分ころでした。 |
![]() エヌマエル寺院礼拝堂 |
|
Jazzclub |
||
ジャズクラブ ホテルフロントに夕方6時全員集合しました。食事をし、ジャズを聴きにいくのです。雨もやんでいます。歩いて15分くらいというので歩くことにし、セントラルパークの南端を東から西に横切ってしばらく行きジャズクラブを見つけましたが、佐藤先生「なによ!聞いていないわ」と怒っています。NEW
OPENと書かれていて、どうやらお店は移転したようです。ジャズクラブは「イリディウム」という正統派で有名な店です。雨が降り出してきました。タクシーを何とかひろって移転先に行きました。NYでは店の移転は日常茶飯事とか、実体験です。お店はビルの地階です。薄暗い室内でメニューの文字が見えません。飲み物、食べ物をたのみます。チキンをたのみましたら、鳥のモモが丸ごとドンと出てきました。 8時からジャズが始まりました。65歳、45歳、35歳くらいの3人の演奏です。ジャズはよくわかりませんが、とてもクラシックで静かな演奏は心が落ち着きます。マニアの人達がうっとりと耳を傾けています。一曲が長く続きます。食事は半分くらいしか手をつけず、眠たい目をした人が何人かいます。「帰りましょう」と佐藤先生が言います。お店の人に断り、1人、2人とお店を出ました。9時頃です。なま暖かい夜のマンハッタンをぶらぶらと歩いてホテルに帰りました。ニューヨーク滞在3日目の夜です。 |
||
| マナーズ&コミュニケーション 佐藤薫子ホームページ |
1 2 ←第3回へ 第5回へ→ 最終回 | |